大台ヶ原山、堂倉谷本谷遡行
メンバー:伴、佐々木、山田
日時 :2005年8月12〜13日
コース :
8/12 大台ケ原駐車場→日出ケ岳→堂倉避難小屋
8/13 堂倉避難小屋→堂倉滝→アザミ谷出合→堰堤→林道の橋→二俣→石楠花谷出合→連瀑帯→ 堂倉山北の稜線→尾鷲辻→駐車場
2005/8/12 曇り
佐々木と伴は大和上市で山田の車に同乗し、午後4時に大台ケ原駐車場に着く。車をパークしておいて、食料/寝具と9mm30Mザイル1本と三つ道具を持って、日出ケ岳に登り、大杉谷への尾根道を下降して6時過ぎ堂倉避難小屋へ入る。大杉谷へ下ろうとした登山者一人とアメリカ人二人と同宿、彼らは台風で荒れたため登山路が下降禁止となったので、明日日出ケ岳へ登り返す由。水は5分離れた粟谷小屋で調達した。
2005/8/13 曇り
6時半堂倉小屋を出て7時堂倉滝へ着く。エメラルド色の大きな釜に流れ落ちる滝が立派で美しい(写真1)。
↑ 写真1 堂倉滝
封鎖してある吊り橋を横からくぐり抜けて対岸に渡り、谷沿いに5分ほど下って次の橋の袂を右上の台地へ登り、モノレールに少し沿ってから右側のルンゼをおりて堂倉滝上の谷床に降り立った。佐々木は新調の沢シューズ、山田は地下足袋にぞうり、伴は5年来使用の擦り減った沢シューズでスタート。山田が写真を撮ってくれる。
幅の広いナメ状の滑りやすい流れの真ん中を辿り、10M幅広滝と奥に見える30M滝の前に出る(写真2)。
↑ 写真2 10M幅広滝、奥30M滝
10M滝の右側を登った後、30M滝は高捲きとは知っていたが、出来るだけ滝近くを捲くつもりで滝上目指してルートを取るもヤバそうで中止、結局戻って大きく左岸を捲いて滝上に出た。
小さな滝と釜が続いて、へつりと泳ぎ(写真3)を繰返し中七つ釜を通過。エメラルド色の釜水のグラデユエーションは美しいが、真夏というのに曇りのせいか泳ぐと冷たく寒い。
↑ 写真3 へつりと泳ぎ
へつりは腰まで水につかり、泳いだ個所は足が立たない。
9時、10M斜瀑の右側はフィックスが残っておりそれを使って難なく通過する(写真4)。
↑ 写真4 10M斜瀑 難なく通過
谷の様相は結構スケールが大きくて、赤石沢や双六谷の小型版といった感じだが、このあたりはフリーで登れて楽しい。一ヶ所左岸の岩場で行き詰まり、10Mの懸垂下降をしたとき佐々木がさらの帽子を流れに落としてしまいぼやくことしきり。
9時40分、アザミ谷出合を経て、奥七つ釜の奇岩(写真5)の間を丸くて深くてぽかんとした釜を見ながら通過し、胸まで水につかって(写真6)から15Mの斜瀑の右側をフリーで登る(写真7)。
↑ 写真5 奥七ツ釜の奇岩
↑ 写真6 胸まで浸かって
↑ 写真7 15M斜瀑をフリーで
右岸の樹林を捲きながら進むと苔むした堰堤が現れ、右岸側を大きく捲いて堰堤の上に出た。すぐに林道の橋で、その下を進んで地池谷出合が11時だった。
ここまでがこの谷のひとくぎりで、高度差はないがスケールの大きい沢登りを4時間楽しめた。林道を右に行けば堂倉小屋に出る。
しばらくはだらだらしたゴーロの沢歩きが2時間ほど続き、ミネコシ谷出合、二俣、石楠花谷出合を過ぎて連瀑帯に至る。途中二俣を過ぎて沢が急角度で右へ曲がる個所があり、石楠花谷ではないかと危惧したが、沢床が左からの沢より低く本谷とみて通過した。
ここまで6時間ほど登ってきて結構疲れてきたけれども、連瀑帯に入ると5〜15M位の傾斜のある滝が次から次へと現れ(写真8)スタンスも滑りやすく、すべてフリーで登る佐々木のようにはいかない。
↑ 写真8 連瀑帯、次々と現れる5〜15Mの傾斜のある滝
五つほど数えたあたりの両岸が切り立った10M滝で(写真9)、滝芯わずか左の岩壁をへつるのだがあと一歩のところで体が離れて滝に落ちそうになる。ザイルをおろしてもらい安心して登り切る。
↑ 写真9 両岸切り立った10M滝、ザイルで安全通過
次いで2段40Mの滝が現れる。これは見事な滝で連瀑群のハイライトと思われる。
佐々木は下段の20Mをフリーで登ってしまうが、下からザイルおろせと言わざるを得なかった。中段に立って上段の滝を観察するも、左から右上するバンド状が登れそうだがツメがとても悪そうでさすがの佐々木もここはやめて、コケでぬるぬるする左のルンゼを登り滝上に出た。ここもザイルを使い、連瀑帯では都合3回ザイル使用した。
あとはナメ滝や小さな滝を越えて源流近くなり、どうやらこれでおしまいというあたりで大休止。午後3時だった。結局堂倉滝をスタートして8時間かかった。
左の斜面を登って堂倉山近くの稜線に出て、尾鷲辻を経て、へとへとに疲れて午後5時大台ケ原駐車場に帰り着いた。
以上