比良山でのボッカ訓練
江崎香野子

月　日　　7月２７日（月）〜 28日（火）
参加者　（現役）小椋　剛、澤　真平、江崎香野子
　　　　（OB）佐々木惣四郎、山田裕敏、藤本　勇
コース　
２７日　堅田―（タクシー）−平（8：50）−権現山（10：20−10：35）−ホッケ山（11：00）―小女郎峠（11：25−11：45）−蓬莱山（12：10−12：20）−比良岳（13：45−13：55）−烏谷山（14：30）−荒川峠（15：00）−南比良峠（15：10）−金糞峠（15：45−16：00）―八雲ヶ原（16：30−16：40）−高津小屋（17：00）
28日　高津小屋（8：50）−北比良峠（9：20―9：30）−イン谷出会い（11：00）−JR比良駅（12：00）

リュックにはプラボトルに水を入れてボッカの訓練。

　今回の比良山縦走は、始まる前から、ちゃんと歩ききれるか不安でした。なぜかというと、一つには前回の比良山登山のとき傾斜の急さの印象があったので、ばててしまわないか心配だったことがあり、もう一つには縦走の前日までカゼでダウンしていて体力が落ちていたことがあったからです。カゼでろくに動いていなくて、ただでさえも体力がおちているのに、あの急な斜面を前回よりもずっと重い荷物をかついで登れるものだろうか…？登り始めたときも私の頭の中にあったのは、こんな不安ばかりでした。
　その不安で頭がいっぱいで早く小屋に着きたいと気が急いでいた私は、先頭にいた小椋君を抜かしてどんどん進み、限界にくるまでの３０分間、できる限りのスピードを出して登りつづけました。そして案の定、そこでかなりバテてしまい、心配していたように前日までのカゼによるだるさと吐き気がぶりかえしてしまったのでした。その後は、最初の反省をこめて小椋君に再び先頭を歩いてもらって、ゆっくりとしたペースで歩こうと心がけました。しかし、やはり初めの無理がたたったのか小女郎ヶ池まではなんとかついて行きながらも、びわ湖バレイのあたりまで来たときには、目の前はグラグラし、もう下山してしまおうか、という気持ちが大きくなってきていました。
　それでも皆の気遣いにはげまされ、ここまで来たからには本当に限界までやってみようと決心し、ゆっくり遅れながら歩き出しました。びわ湖バレイのロープウェーが目の前で動いていて、あれに乗れば楽に下山できるなぁ…と感じつつ、今にもキップを買って飛び乗ろうとする気持ちを押さえて、何とか一歩、一歩足を前に出し続けました。

伝説の小女郎ヶ池にて（小椋、江崎、澤）

　幸い、びわ湖バレイでの休憩で荷物の重しにしていた水を捨て、荷物が軽くなっていたことと、山田さんが一緒にゆっくり歩いてくださったお陰でロープウェイで脱走することもなく、次の休憩まで行くことができました。
　そこでの休憩中に藤本さんに食事をしっかり食べるようアドバイスしてもらった上に、藤本さんが持ってきていたポカリスェットまで大量に頂いたのでした。そのおかげで次の行動では、少し体が軽くなったように感じました。それには藤本さんが前を歩いてくださって、その通り歩くようにアドバイスをもらっていたことも大きかったと思います。藤本さんの歩き方は、まさに熟練の技で、体を無理に動かさないので、私のムチャな歩き方にくらべて、ずっと楽に歩くことができたのです。

　金糞峠に着いた頃には、再びへばっていましたが、もう小屋は近いと聞いて何とか歩きました。そして、ついに小屋にたどり着いた時、まさに小屋がオアシスに見えた私は、体はぐでぐでに疲れていたにもかかわらず、その場でジャンプしながら踊りまわりたいような気分でした。
　小屋は静かで快適だったので、私は藤本さんのアドバイスとおり、夕食をたくさん食べ（昼食はおにぎり２つが限界でした）、ぐっすりと眠ることができました。
　次の日、目が覚めると前日のつらさが嘘のように元気になっていました。あいにく、その日はガスがひどく雨も降っていたので下山することになりましたが、私は少しくらいなら登ってもいいんじゃないかと思えるくらいでした。やはりOBの方の経験に基づくアドバイスは最強だ、と思いました。
　今回の縦走で学んだことは、自己管理の大切さと、良い歩き方のもつ威力だと思います。そして、最後に特にお世話になったOBの方々にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。

追記
翌日は天気も悪く、蛇谷ヶ峰までの縦走であったが中止となりました。これで夏山前のボッカの訓練が終わりました。