オーストリアゆったりチロルハイキング       

                           20095

                                上田 忠士

2008年真夏にチロルの2ヶ所を基点に家内とハイキングを楽しんだ。

ひとつはハイリゲンブルート。7月の良く晴れた日の朝にZell Am Seeから1日1本のグロース

グロックナー山岳道路を走るバスに乗車。ヘアピンカーブ連続の道をぐんぐん上る。雄大な山岳風景が広がる。途中フィッシャーテルで写真停車する。氷河に覆われたアルプスの峰々が見えすばらしい景色だ。終点フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ到着は2時間半後の1140。ここは標高2300m。

ザックをロッカーに入れ登山靴を履いて、パステルツエ氷河に降りてハイリゲンブルートへの道を歩く。

氷河の上方奥に聳える真っ白のJohannis-berg山が美しい。1530のバスに乗るため、昼食を食べて引き返した。2時間半のwalking であった。高度差200m。ハイリゲンブルート到着1600

YH泊まりだ。ここは標高1300m。人口1300人、教会を中心に緑に囲まれた美しい集落であり、中央に一本の川がながれている。

翌日、小雨だ。 910に出発した。地図を片手に歩くが、ハイカーに殆ど会わない。

標識も親切にあるとは言えない。農家で聞くが、英語が通じなくドイツ語で単語を並べて何とか意思の疎通を計る。Hohe-wand を経て不明瞭な赤白のマークを見つけてメル川方面に下り、フランツ・ヨーゼフ・ヘーエとハイリゲンブルートを結ぶトレッキングコースに出た。ここから上方に登り、Bricciukaplle教会を過ぎ分岐の橋で引き返したが、時間があればフランツ・ヨーゼフ・ヘーエまでは登りであるが、7時間程度のチロルを代表するトレッキングコースである。

翌日は昨夜気温が下がったようで、遠くの山が雪化粧していた。雨が止んだので出発した。シャレックのゴンドラ中間駅ロスバッハまで歩く。誰にも会わない静かな歩きだ。高山花だけが待ってくれている。小雨が降ってきて雨具着用をする。ロスバッハまで420mの登り。ガスで視界はよくないが、ゴンドラに乗りシャレックまで上る。頂上(2556m)は視界100200m、遠望は全くきかない。

ゴンドラがランチタイムで動かないので、レストランで休憩してランチ。動き出したゴンドラでロスバッハまで下ると、雨も止みガスも晴れてきたのでここから歩いて下山した。ハイリゲンブルートのメス川周辺を散策し、教会、スーパーにも寄ってYHに帰着。

翌日も天気はあまり良くない。今日はハイリゲンブルートを離れる日である。3泊は少ない感じだ。

900のバスでハイリゲンブルートを離れ、フランツ・ヨーゼフス・ヘーエに向った。ザックをロッカーに預けパノラマWegを歩いた後、Oberwalder-Hutteへ向うトレッキングコースを歩く。このコースは標高2400mから2500m。左下にオーストリア最大のパステルツエ氷河を見下ろし、正面のグロースグロックナーは残念ながら頂が見えない。天気が良くないからかトレッカーは少ない。右手上方には

アイベックの姿があり、左手下方にはマーモットが草を食んでいる。時々みぞれが降ってきてセーター、雨具を着る。高山花も豊富で今は少なくなったと言われる、エーデルヴァイスも見つけた。氷河が迫り、雪渓を2箇所越えたところで引き返した。1500のバスでZell am See へ山岳道路を下った。

   

     Pasterzen (パステルツエ)氷河  フランツ ヨーゼフス ヘーエから撮影

    奥の山はJohannis-berg (3460m)   左の山はGross-glockner(3797m)

ふたつ目の基点はマイアーホーフェン。ここはハイリゲンブルートよりにぎやかであるが人口3700人。イエンバッハからZillertalbahn(私鉄)で1時間車窓の景色を楽しみながら向う。トレッキング、

登山、冬はSkiの基地のようである。教会近くのホテル「Zillertal-hof」にCheck-in、ここは4つ星ホテル。Dinnerの雰囲気は優雅で、客筋もよさそうであるが、我々トレッカーには不向きだ。

翌日は天気もよく910出発。ペンケンバーンゴンドラに乗り、さらにリフトに乗り継いで2000

まで昇る。

ここから緩やかな稜線をZillertalアルペンの山々を見ながらゆっくり歩く。雄大そのものである。この周辺は草原になっており見晴らしがいい。トレッカー姿もよく見かける。やや下ってから500mぐらい

放牧された牛をさけながら登るとWanglspitze2420m)の頂上だ。約2時間半かかった。360度の展望とランチ。日本から持参したアルファ米などを食べた。下りはペンケンヨッホまで往路を取り、ここからはお花畑に囲まれたルート22a を只管下るが、マイアーホーフェンの中心地を俯瞰し退屈しない。

このコースを歩くハイカーは少なく、1組にあっただけ。マイアーホーフェンまで下り3時間半、高度差1800mは長くやや疲れた。ホテル到着は6時を過ぎていた。

翌日は天気がよくない。雲も厚いので山に登ることは止め、Wassenfall滝を見に行く。マイアーホーフェンに注ぎ込む川の一つStillupbach 沿いの自動車も走る道を歩き、Lacknerburn を越えて人造湖に着いた。ここは昨日トレッキング中にマイアーホーフェンを隔てた向かい側に青く見えた湖だ。湖畔に大きなWassenfall滝があり、観光客が車、自転車で多くきていた。ここで休憩してランチ。帰りの途中から雨に会い、急いでホテルに帰った。1600

ホテルの夕食も3日目になると飽きて、今夕私はVegetarian food にしてもらった。ここの泊まり客はイギリス、ドイツからが多いようで、12週間連泊のようだ。彼らはゆったりした旅を楽しんでいるようだ。我々はここマイアーホーフェンに3泊したが、日本人を始め東洋系、イスラム系の人は全く見なかった。ここマイアーホーフェン基点に山小屋に泊まって2、3泊のトレッキングコースもあるようだが、我々は時間と情報不足で行けなかった。1週間ぐらい滞在してゆっくり楽しむところのようである。翌日、バスでイエンバッハ経由インスブルックへ向った。

オーストリアのチロル地方にはZell Am See, インスブルックなどを基点にトレッキングコースは沢山あり、スイスとは違った静かで素朴な歩きが楽しめる。

     

      Zillertalの峰々   ペンケン ヨッホから撮影

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