ニュージランド(NZ)トレッキング 

                   20085月  

                          上田 忠士 (S40年卒)

NZ国民は自然の中に身を置くことが好きな国民のようで、自然を楽しむWalking道(NZではトラックという)が、長短全国いたるところにある。それらは自然を愛する国民、国(DOC) によって保護、管理されている。トラックの中でもGreatWalkといわれているものが9ヵ所あり、その中でも有名なミルフォード、ルートバーンには世界中のトレッカーがやって来る。トラックはいずれもよく整備されており、安全なコースとなっている。トラックに入ると耳にするのは川の瀬の音と鳥のさえずりだけである。ハイキングといった感じであり、入山者数も制限されており、従って少なく静かな歩きが楽しめる。 トラックの長さはミルフォード54km、ルートバーン33kmであり、踏破には山小屋を利用し、3,4日かかる。費用が高くかかるがこれらにはガイド付きツアーが催行されており、誰でも楽しむことが出来る。ガイド付きWalk以外は個人Walk、自分で食糧、寝袋、炊事用具一切を担いで歩かなければならない。  日本の山小屋のように、食事や寝袋のサービスはない。あるのはトイレ、ベッドと水だけである。私は昨年、今年(2008年)とGreatWalkをいくつか歩いたが今年のトレッキングを記録調にまとめてみた。

 

* ラキウラトラック:36km

このトラックはNZ南島の南方海上35kmにある人口約400人の自然のままの姿を保っているスチュアート島にある。

2/17 初日 曇り一時小雨、午後晴れ。

起床700 .いよいよ今日からNZグレートWalkのひとつラキウラトラックだ。天気はまずまずである。DOCでハット券を購入(ひとり一泊10ドル)して小雨の中を915出発。リーベイまでは自動車道だ。到着1100.ここから島の最高峰「アングレム」が遠望された。

小休止のあと海岸沿いに歩く。雨も止み、誰とも会わず静かな歩きと海岸美を楽しみキャンプ場着1340. 今夜の宿ポートウイリアムハット着1515.

収容人数24名。今夜の泊まりは15人ぐらいであった。管理人は不在。

2/18 2日目  晴れ

起床700. 即席の朝食だ。トレッキング中は美食と言うわけにはいかない。出発840. 天気がよく、先頭を歩くMはペースが速い。苔としだで覆われた山道だ。整備はよくされており、植生保護のため木道が多い。標識も要所にあるだけで、DOCの管理するトラックらしい。日中歩くと暑いぐらいになるが、汗をかくほどのことはない。最高地点パターソン湾を見渡す展望台(300m)でランチ。イスラエルの若者5名もやって来た。ノースアームハット着1510. M,Yは疲れたのか午睡。1800から夕食料理(?)開始。夕食後若いイギリス女性とトランプを楽しむ。ここのハットも管理人不在。今夜も日本人は我々3人のみ。Mの登山靴の底が剥がれてきて心配だ。

2/19 最終日  晴れ

起床710. 今日もいい天気だ。出発900. やや下り気味に海岸線に沿って歩く。ほとんど人に会わなく、鳥のさえずりが聞こえるのみ。海に出張ったカイピピで大休止。ここは群青の海と濃緑の樹林に囲まれた美しいところだ。ここから1時間の歩きでトラックの終点。

DOCに帰着を連絡。

夜はトリプルのルームでビールとスパークジュースでトレッキング無事完遂を祝った。

 

*ミルフォードトラック:54km

南島の南西、フィヨルドランド国立公園にある変化に富んだ景観と滝や湖などを結ぶトラック。人気が高く世界中からトレッカーがやってくる。

2/22 初日 曇り、晴れ

起床700. いよいよミルフォードの始まりである。YHからバスの出発するDOCまで歩く。バス出発945. 15人ぐらいの乗客。テアナウダウンで下車、ボートに乗り湖の北端グレードワーフへ向う。約1時間のクルーズだ。ボートでは少人数の日本人2グループと一緒になったが、彼らはグレードハウス周辺を散策する日帰りのトレッキングである。彼らに見送られて1150歩き始める。M,Yの荷物は7,8kg、Tがワイン3本もあり15kgぐらい。

天気はまずまず、広く平坦な道がクリントン川に沿って樹林の中を続く。ガイドWalkの宿

グレードハウスは近い。大きな立派な建物だ。我々フリーWalker は素通りして上流へ進む。本道から離れRed beach tree ,湿地帯Walkにも寄って、今夜の宿クリントンハット着1340。4km弱のラクな初日であった。40人収容のハットは満員。管理人の話(Hut talk)が7:30からあり10カ国以上の国から来ていることが紹介された。

2/23  2日目 小雨

起床550 真っ暗だ。Tが一番早かった。小雨なので雨具の上着だけ着て出発720. Mの先導でクリントン川に沿って歩くが、早いピッチである。1時間ほど歩いて雨具のズボンをはく。ヒレレシェルターで小休止930. バスストップシェルターでランチ1115. 小雨の中を歩くが左右の山肌にいく条もの細い滝が出現、高度差もあり素晴らし景観である。雨もまたいいものである。道はやや急になって来たが、2時間弱の歩きでミンタロハットに到着1320. 6時間18kmの歩きであった。ハットに到着すると雨脚が激しくなり明日の予報も強雨との掲示あり。マッキノン峠の通過が心配である。就寝2100. 夜中も強い雨であった。

2/24 3日目  マッキノン峠越え。小雨、曇り、やや風あり

起床600. 心配していた雨も小雨になりほっとする。雨具に身を固め3人とも体調よく元気に出発730. 今日はBig day、登り550m、下り970mの行程だ。マッキノン峠(1073m)までは電光型の登りが続く。風もあったが問題なく到達9:20. マッキノン記念碑で写真撮影。これから下るアーサー川も眼下によく見え眺望を楽しむことはできたが、遠望はきかなかった。長い下りをゆっくり歩く。ガイドWalkのクイントンロッジ到着1530. このころは青空も出てきた。M,Yはダンプリンハットへ急いだが、TはひとりNZ一番のサザーンランド滝を見に行った。往復1時間20分。雨後であり水量は多くまさに大瀑布、落差580m。圧倒される迫力である。ダンプリンハットに3人集合したのは1530. その後また大雨、行動中小雨であったのはラッキー。やはり雨の多いミルフォードである。明日はどんどん下るだけ、ワインで夕食をとり、Hut talkに出席もせず、730シュラーフに入った。今日の歩き14km。

2/25 最終日  小雨、曇り

起床600. 今日も小雨だ。1400発のボートに乗らなければならないから、皆な早く出発した。我々は急ぐこともないと考え730出発。遅い方だ。ひたすらアーサー川に沿って歩く。今日は18kmもある。ボートシェッドシェルターまで1時間半。ここで小休止。スイング橋を渡って左岸に道が伸びている。マッケイ滝9:20. 標識がこのあたりなく残りどのくらいか分からない。右に美しいアダ湖を見ながら進む。ジャイアントゲートシェルター到着1120 .多くの先発者が休憩していた。我々も休憩。あと5.5km、1時間半の標識があり、先の目途が立つ。サンドフライ着1310.

34日、54kmのミルフォードトラックが無事完了。MとYはよく頑張った。満足感で満たされている様子であった。到着の頃は青空も見えて暑いぐらいになった。ボートでミルフォードサウンドへ到着。その夜はオーバーナイトクルーズに乗船、船内で無事踏破を祝った。

             

 メンバー:上田 忠士(T

                            上田 美枝子(M

                            吉田 佐代子(Y

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