アンナプルナ連峰(5峰)に囲まれたテントピーク(5663M)への旅
2006/4/29
〜 5/11
佐々木惣四郎
<カトマンズの状況>
4月28日外出禁止令が解かれ騒乱が一旦静まったばかりのカトマンズに入る。市内は静かで少なくともタメル地区は通常であったが人は少ないようだ。旅の終わりに判明した事であるが、観光客はガタ減りで、それも欧米人ばかりで、アンナプルナ内院でも1日15人ぐらいで日本人には1人会っただけである。ほとんど全部がバッテイ泊りのトレッカーで登山パーテイは帰りに会ったポーランド隊と小生の1人旅だけであった。なお、テントピークに7パーテイ入り4パーテイのみ成功との情報であった。<アンナプルナベースキャンプより頂上へ>
5月6日キャラバン最終地点であるアンナプルナBC(4130m)より朝7時出発、アンナプルナ大氷河を横断して対岸の尾根に取り付く為、総勢7名(シェルパ、コック、ポーター等6名)にて雪の凍る土手をザイル張って下り、2時間かけて氷河を渡り、極めて危険なガレ場を超えて13時頃整地を終えて、4500Mにベースキャンプを設営した。眺望はマチャプチャレはみえたがさ程良いものではなかった。翌朝5月7日午前3時起床。3時45分出発。テントはバリバリに凍っているがマイナス5ー7度ぐらいの感じ。なんと言う事のない雪のスロープを登っているうちに5時30分頃真っ赤な朝焼けがピークの背後に現れ1回目の感激。一歩毎に一呼吸のペースで行くのだが傾斜がきつくなるとゼイゼイと喘ぐ。稜線に出る雪壁の下5100Mに7時頃着き、約40度のスロープで約200mをピッケルにてキックステップで稜線に出る。頂上がやっと眺められたがまだまだ遠く頂上直下が同じようなスロープで続いている。雪が柔らかでもぐりなかなか進まないが素晴らしい景色である。
9時45分バテ気味で頂上に立つ。頂上は極めて狭く2人座って一杯で辛うじて記念写真をとる。360度のパノラマで、アンアプルナ連峰が周りにズラリ。この素晴らしさはカラパタール以上の感激。
アンナプルナ一峰(8091m)の左側はアンナプルナ南峰(7219m)とヒウンチュリ(6441m)があり、右側はカンサールカンク(7485m)、タルケカング(7232m)シングチュリ(6501m)があり、このテントピークの尾根はシングチュリへ続き一峰の主峰に連なっている。 タルケカングの右側にはガンガプルナ(7454m)アンナプルナ三峰(7553m)アンナプルナ四峰と続き、最後にマチャプチャレ(6993m)が正面に来る。マチャプチャレはヨーロッパのマッターホルンを2倍にした感じで鋭い三角形の90度の岩壁を見せている。こんな迫力のある景色にはお目にかかれないのではないか?これらの山々が地図上では5ー8キロに近さにあり、遠くに望める程度ではないのである。
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頂上からはマチャプチャレが少し低く見える様になったが、6時間の登行は少々きつく、下りは2時間でベースキャンプに着いたが、雪が腐ってダンゴになりバテてしまい、昼飯も食べられない有り様。9年前にエクアドルのチンボラッソ(6300m)5000mから11時間かけてアタックした時も滅茶バテた事を思い出さされた。 このあとすぐにアンナプルナBCに2時間かけて500mの下山をした。結局1100mの登りと1600mの下山の10時間行動となり夕飯もおかゆだけであった。特にピッケルを散々使用した為、腕と背骨がこって、上半身にダメッジとなり気分が悪くなったのかも知れない。疲れると高度の影響も出るようだ。昼からはどうしても雨模様となり12時頃ついてPM1時にテント出発して3時に着いた。
<アンナプルナ一峰8000m峰の可能性について>
内院方面よりは極めて困難な壁で近々3隊が挑戦するも全て失敗している。5月8日ポーランド隊4名が、テントピークの同一稜線を経てシングチュリ6501mを超えての挑戦を開始した。シェルパなしのハイポーターのみの使用による挑戦でルートが長く、体力と天候がポイントと思われます。そのかわり技術的に艱難な個所はないように思われます。
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<アンナプルナ内院トレッキングについて>
ゆっくり行って行き5日帰り3日でアンアプルナBCにつく。ただし、着くまでの景色は望めず我慢と辛抱のキャラバンになりますがアンナプルナBCにはその値打ちがあると思います。ここは素晴らしい展望台でマッターホルンの2倍あるマチャプチャレが正面にあり、背後は一峰主峰の岩壁でいずれも近くにあるので迫力があります。5月の花を期待するもチョムロンよりの石楠花とマチャプチャレBCからABCへのさくら草?が華やかで、道中のいろんな鳥とシャウリバザールではホタルが沢山いて(50匹以上)バッテイ泊りで十分に行けます。また道中石畳の階段が多くチョムロングの前後は40分以上の階段があります。 今回は無理して出たのですが素晴らしい眺めに会えて幸せです。2年前にアンナプルナ外院からジョムソンにでたので裏側も見た訳で地形がよく理解できました。
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