日本ヒマラヤ協会 チョムカンリ(7048m)登山隊1999記録短信

@登山隊の概要
目的 ・チベットのニンチェンタングラ山脈の第2高峰チョムカンリ蜂(7048m)への登頂 通算3登目
    ・テイクインテイクアウトの実践
派遺母体と隊構成  ・日本ヒマラヤ協会
             ・関根幸次隊長(わらじの仲間)以下全国から会員8名
遠征期間        1999.7.20〜8.25(37日間)
中国側スタッフ 連絡官  劉峰36才(♂)四川省登山協会勤務
          通訳    趨玲玲42才(♀)中国登山協会
          コック    曹さん23才(♂)チペット登山協会
          その他ドライバーの方々(ジープ2台、トラック1台)はチベット登山協会
A登山隊の成果
  8月16目12時40分(北京時間)南壁から登頂(佐藤副隊長、武部、川崎の3名)。通算3登目
  隊でもちこんだものは分別回収。生ゴミ、可燃ゴミはBCへ下ろし、消却。その他はラサまで持ち帰る。
  フィックスロープは12ピッチ分600mは回収。C1から上部は回収できなかった。
Bチョムカンリの登攀史
  ・山名は「女神の峰、知恵の目」と呼ばれ、チペット仏教ではマンジュシェリー(文殊菩薩)に相当すると言われる。
   ラサの北西約113qにある。
  ・1994秋 韓国隊による偵察
  ・1996秋 中国韓国合同隊により南面から初登頂
  ・1997春 日本中央大学隊により南壁から第2登
  ・1999夏 日本HAJ隊によりモンスーン期での南壁から登頂(第3登)

チョムカンリ登山隊8人の侍。左から4人目の赤いフリースの男が武部。

C日程
7/20 東京組5名は成田発、関西組3名は関空発で北京前門飯店へ集合
  21 北京→成都
     成都→ラサ
  23 チペット登山協会にて隊荷再梱包と食料品追加購入
  24 ラサ裏山4000mの高慶順化トレーニング
  25 ラサ→ヤンパーチン
  26 ヤンパーチン裏山4500mの順化トレーニング
  27 スゲ・ラ(5300m)での高度順化トレーニング
  28 ヤンパーチン→ランドゥー村(4800m)仮BC
  30 仮BC→BC(5300m)ヤク30頭
8/4  南壁のコル(5980m)にC1建設
    BC〜C113ピッチ半フィックス
  15 南壁6600mにC2建設C1〜C221ピッチ半フィックス同時にC2上部4ピッチフィックス
  16 C2  8:OO→登頂12:OO→C214:20
     視界100m風雪の頂上でした
  17 2次アタック中止C2,C1同時撤収BCへ下山
  20 BC→ラサヤク20頭にて下山
  25 北京首都空港にて解散東京行、関空行に分乗する
Dチョムカンリ南壁クロニクル
BC 5300m
 チョモ湖(氷河湖)のすぐ近くの平坦な草地に設営。韓国隊、中大隊のABCに相当する。下の村からここまでヤクによる荷上げ可能なた め、この高度でのぺ一スとする。ブルーポピーが点在していて楽園のようなところ。
C1 5980m
 BCから氷河左岸のモレーンをすすむ。2時間でザレ場を登りきると氷河が全面出てくる。3ピツチで氷河上のプラトーに出る。プラトー上 をさらに5ピツチで三角ピークヘの登りの雪壁になる。13ピツチ半で三角ピークに着く。ここから下降1ピッチ半すると南壁のコル手にC1 を設営。
C2 6600m
 C1から南壁を見ると「立っている」のがわかる。下部8ピツチは南壁核心部への緩傾斜帯、さらに13ピツチ半で岩峰(2つ並んでいる)基 部に着く。ここまで氷、雪、ミツクス壁と45。程度の傾斜となる。週去の2隊とも著労した核心部。C2は雪崩の危険も最も少ない地点で ある。
トップ 7048m
 C2左横の氷雪壁を直上・ここに4ピツチフィツクス。これを登りきると頂上への雪壁が永遠に続く。頂稜部6980mぐらいからは傾斜が落 ちる。一番高いところが頂上。雪の頂上。
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