未踏の山 ランタン・リルン(3)
ランタンから道は次第に氷河の容相を現し、谷筋の真正面に美しいヒマラヤ襞を飾り付けたキャンジュンが見えた。約2時間程でスイス人の住むキャンジン・ゴンパに着く。ハインツ氏は人の好さそうな紳士で、つい数週間前、ここに来たとか、大いに歓迎される。ガスがかかって視界がきかなくなったが、ゴンパから左に折れリルン氷河最末端に入る。地面が褶曲して、至る所に巨大な岩石がごろごろしている。約2時間登り、水場のあるBC予定地に到着する。
隊員用テント1、シェルパ用テント2、リェゾン用テント1,キッチン用テント1,食堂用テント1を張り、個人用具が支給され、慌ただしくBC設営が終わった頃、外には雪が降り出した。
↑ベースキャンプでの集合写真。数少ないカラー写真。前列の中央が故森本隊長。
夜、隊長は全員を集め明日からの計画を話した。
1. 約10日間のリルン偵察期間を持つこと。
2. 近藤隊員、アン・ダワ4号他2名は一週間の予定でツンガ氷河を踏査し、第二次計画の準備を行うこと。以上が、その概要である。
|
|
Copyright 2007 Osaka City University Alpine Club. Allrights reserved. |