ランタン・リルン登頂(1978年秋)
伴 明(1963年卒)
<ティルマンが世界で最も美しい渓谷と絶賛した、ネパールヒマラヤのランタン谷の主峰がランタン・リルンである>
↑キャンジュン・ゴンパから見たランタン・リルンの全景
三度目の正直"は実現された。ベース・キャンプへ入山当時、雨とガスに泣いたリルンは、登頂に成功して下山する際には、紺碧の空を背景に晴々とした表情を秋風の中にさらしていた。
17年前、森本隊長、大島隊員、サーダーのガルツェンをリルン氷河に残しての下山、14年前、厳しい東南稜に無念の涙を飲んでの下山、そして今度の成功。それらが交錯し、悲しみと喜びが一体となってヒマラヤの空に翔け昇ってゆく。
危険で険しいアイスフォールとの闘いに消耗しつくした隊員が、唯一回の登頂を喜び合い、生色をとり戻して次々と下山してくる。伸び放題のヒゲの中から、こぼれる白い歯がすべてを物語っていた。
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