ネパール100日間の山旅(4)

サイパル北面に登った東京の野沢井君らがフムラ・カルナリ河を遡行しているので、我々のトレースは今年の2隊目となる。毎日毎日よくも歩いたものだ。ドザムコーラの出合いまで6日を要す。ドザムコーラの出合で登山隊と別れて、シミコットに到着したのが10月21日であった。

シミコットの部落地球の歩き方にも紹介されていないシミコットの部落

もう歩かずとも良いと思うと急に疲れが出てくるものだ。シミコットは陸の孤島であり、最近はネパールからカイラスへのトレッキングの拠点ともなり、欧米のトレッカー数名と出会う。ソーラー発電で村には電灯が午後9時まで灯る。シミコットからスルケットまでは小型の飛行機で、スルケットからはバスを一台チャーターして、深夜をかけてカトマンズまで。カトマンズ到着10月25日。登山隊は、チャングラの主峰は時間の余裕が無く登れなかったが、登山ルート上の南西峰(6150)には初登頂することが出来た。
帰国までしばらく時間があったので、私達夫婦はエベレスト方面にトレッキングに出掛ける。今年は「VISIT NEPAL '98」と宣伝しているのかして、カトマンズも山中も外人で溢れていた。それもドイツ・フランス・イタリアあたりの中高年のグループ旅行者が目立った。今年の正月には行けなかったゴーキョピーク(5483)の頂上より、チョーオュー、ギャチュンカン、エベェレスト、マカルーの峰を無風快晴の中で見ることが出来た。カトマンズへの帰途、はじめて「エベレストビューホテル」に一泊する。ホテルのテラスからはエベレスト、ローツェ、アマダブラムを眺めながらお茶を楽しんだ。

エベレスト世界最高峰エベレスト

夕暮れせまるチョーオューチョーオュー

ギャチュンカンギャチュンカン

タムセルクタムセルク

アマダブラムアマダブラム

旅の終わり

100日間のネパールの旅も終わりに近づいた

今回は高度順応も順調にすすみ、頭痛や浮腫もなく、下痢や風邪ひきも起こらずに快適な山旅ができたのは自己管理が良かったことと、登山隊が日本から携行した日本食に起因する。しかし、それでも私達の体重はそれぞれ8kgほど減った。
帰国したのは11月15日となり、約100日あまりの旅でありました。
登山隊の日常の行動や写真は、持参したパソコンで衛星電話を経由して、日本に電子メールで送り、それをホームページに掲載することにより多くの人達に活動を知って貰うことが出来たようである。
詳しい登山隊の行動記録は大阪山の会のホームページの日本語版1998年西北ネパール登山隊記録をご覧下さい。
10月初めから、私達と行動を共にしたNHKの取材班の記録は、1999年1月29日と31日の両日にわたって、「NHKスペシャル」<シェルパ極限の世界に生きる>と題して全国に放送された。ご覧になられた方もおられると思いますが、プロの編集した映像の出来映えは素晴らしく、シェルパの歴史が山と無縁の人達にも理解されたことと思います。
さて、今年はどんな山旅が出来ることでしょう。

山は逃げないが、人は一年一年年老いていく。

                 

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