日本ヒマラヤ協会ニンチンカンサ(7206m)登山隊1998

記録短信

ニンチンカンサはラサを囲む4つの聖山の1つ(東ヤルラシャンポ、西ニンチンカンサ、南クーラカンリ、北ニンチェンタングラ)山名は『幸福の源』という意味。

・遠征隊の概要
目的  チベットの高峰ニンチンカンサ峰(7206m)の新ルート(西稜)からの登頂
派遣母体と隊構成 日本ヒマラヤ協会
関根幸次隊長(わらじの仲間)以下全国から会員10名
遠征期間  1998/7/19−8/25(登山期間20日間)
中国側スタッフ  連絡官 楊建国 43歳 中国登山協会常務委員行政部長
通訳  楊国勇 21歳 中国登山協会
コック 王洪  35歳 チベット登山協会
その他ドライバーの方々は全員チベット登山協会(ジープ3台・トラック1台)
・登山隊の成果
・西稜(ノーマルルートは南西稜から南面)を初登攀する。
・8月15日15時30分西稜から主峰(7206m)を登頂する。(通算6登目)
・全員登頂ならず3名のみ登頂。(田村、山本、武部)
・テイクインテイクアウト 隊で持ち込んだものは回収(分別回収)し、ラサまで持ち帰る。ゴミは焼却。ただしC2から上部のフィックスした固定ロープ18ピッチ分(900m)は回収できなかった。
・日程
7/18 東京HAJルームに集結
19 成田→北京(CA926)直行便で3時間30分の楽なフライト CMA交流部趙建軍出迎え
20 北京→成都(4106便)気温28℃ しかし蒸し暑い。
21 成都→ラサ ミニヤコンカ見えず、ナムチェバルワ見える。
22 ラサ TMAにてデポ品チェックと食糧追加購入及び再梱包。
23 ラサ ラサ河対岸の4000mの小山で高度順応トレーニング
24 ラサ→ランカズー なつかしのカンパラ(4700m)を越える。雨天で山見えず。
25 ランカズー→BC予定地偵察→ランカズー ジープ終了地点から2時間4900mまで
26 ランカズー 街の裏山(タルチョー山)4600mで高度順化トレーニング
27 ランカズー→BC カロラを過ぎ西面にはいりマユン村経由ヤク28頭で4800mBCへ
29 ABC建設 5300mの西稜取り付き地点氷河湖畔のトゴロン氷河末端に建設
8/1 C1建設 5800mの西稜コルに設営 非対称山稜上プラットホーム作り2張設営
10 C2建設 6350mの西稜上台地に設営1張
C1からC2間はルート中一番の傾斜(35−45°)で17ピッチ850mFIX
15 C2→頂上→C2 3:30起床-6:30出発-13:30西稜完登-15:30登頂-16:00下降-19:45C2着 C2から上部は13−15日で18ピッチFIX済。FIX終了地点以降主稜線への2ピッチと主稜線はノーザイルで行動
16 C2→ ABC
17 ABC→BC
20 BC→ラサ 夜に大雪。ヤク17頭にてマユン村へジープ3台、トラック1台でラサへ。
ラサ着は23:00 長い1日。
21 ラサ TMAにてデポ品整理と帰国隊荷の再梱包 
22 ラサ ポタラ宮見学と八角街/ジョカン(大昭寺)散策 夜TMA主催宴会
23 ラサ→北京 直行便で北京へ
24 北京 万里の長城と故宮見学 夜CMA主催の登頂祝賀会 登頂証明書頂く。
25 北京→成田(CA925)CAACのスタッフの手違いでファーストクラスに乗る。
・ニンチンカンサ西稜クロニクル
BC 4800m トゴロン氷河末端下流の左岸草地に設営。マユン村からヤクで2h。対岸(右岸)にゴンパ跡あり。西稜が左に南西稜が右に見える。
ABC 5300m トゴロン氷河が5596mポイントのインゼルで分岐している。北氷河末端下に氷河湖あり。湖畔のモレーン上に設営。正面に西稜が見える。
C1 5800m ABCから氷河湖右岸を進み、氷河末端左側の大滝を登る。左側の5978mの岩のピークから岩稜とのコンタクトラインにそってザレを急登。5500m(雪線ライン)より左上していく。涸沢ザイテングラード状の斜面をひたすら登ると西稜コル。コルより右へ岩稜すぐ。
C2 6350m C1から岩稜を20分で雪稜雪壁が始まる。17ピッチFIX。急なところで45°の斜度。登りきると台地状になるここに設営。
頂上 7206m C2からも主稜線6900mに向けひたすら雪稜雪壁が続く18ピッチFIX平均斜度30°主稜線からは単純な雪稜。頂上は雪面。 

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